「時をかける少女」ロケ地めぐり その18 番外編①

ひがしざわ 

2010年06月24日 08:00

ロケ地めぐりからはちょっと脱線しますが、気にいった作品を何度も見ていると、
いろいろなことに気づいたり、とまた違った楽しみ方ができます。
台詞や演出、BGM、そして画面に映る小道具など。。。
では、番外編として、そんな楽しみ方、登場する食べ物やグッズなどについて。

まず、街角(富士吉田のこのカット)をCGで通過した都電です。



合成されたのは、都電・荒川車庫の「都電おもいで広場」に保存されている7504号です。
でも・・・よくみると、帯の色が青いんです。
荒川線は昭和53年(1978年)ワンマン運転を開始、
それに伴い走る車両も改造、帯をそれまでの赤から青に変更しました。
1998年に運用離脱、2001年に廃車されるまで「現役」でした。
映画ではこの車両の帯だけ赤に変えているとききました。



実は同じ形式の車両がほかにも何か所かに保存されていますが、
そのものずばりの1両が、小金井市の「江戸東京たてもの園」に。
7514号です。
こちらはワンマン化の対象外となって原型で保管されていたので赤帯のままです。
(こちらを使用したほうが技術的には楽だったかも??)



最初は、こちらの車両を合成したかと思いましたが、映画では確かに前者のようです。
というのは、サイドからのアングルだけですが、前ドアあたりの形は明らかにワンマン化後の車両でした。
 ・ドアの階段状ステップが埋められて、床とツライチになっている。
  (もともと都電は道路上に停留所があったので乗り降りするステップがあったのですが、
   荒川線はほとんど専用軌道<線路>なのでワンマン化と同時にホームがかさ上げされ、
   ステップが埋められました。)
 ・もともと運転台横のドアは前の曲線にかかって少し斜めだったのが、ホームに合わせて垂直に。
  (道路上から乗り込む分には曲線でもよいですが、ホームからだと平らでないと隙間ができて危険)
ほかにも、ワンマンすなわち車掌が乗務せず運転士だけになるので、安全面などを考慮、
 ・バックミラーの設置
 ・運転台の窓を上下2枚から1枚に変更
 ・側面の行き先表示版設置
などの変更もありましたが、最初の2点で判別できます。




また、「雨の音羽橋駅」こと下吉田駅で、改札の向こうに映った電車。
JR中央本線から乗り入れてくる115系電車ですが、
この型が下吉田駅の手前側ホーム(1番線)に右から
入線するのは1日に午前中の下り1本だけ。
しかも、休日は通過する上り特急列車とのすれ違いのため反対側2番線に入ってしまうので、
この映像を撮るのは平日午前の1回勝負!
撮影時のご苦労がしのばれます。
(失敗したら、翌日までチャンスなし!!)




(続く)

しげぞー

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