世界に1つのコンロ

でべら(出平)を焼くシーンでニクロム線コンロが必要になり、
こんなガラクタを集めてどうするの、と、日頃あきれていた友人を思い出して
借りてきました。

尾道の冬の風物詩でもある『でべら』とは、タマガンゾウビラメを干したもので、
尾道では贈り物、お土産、酒の肴とされているものです。

貸してあげるから、このコンロに大林監督のサインを頼んでくれと友人に言われて、
ほとほと困ってしまいました。
監督に申し訳ない、失礼なことになってしまう。

しかし友人はどうしても色紙じゃダメ、コンロにサインをと言ってきかないし、胃に穴があきそうでした。

長野ロケ最後の日に覚悟を決めました。

江守 健治



コンロにサインをしていらっしゃる大林監督、持っていらっしゃるのは竹内美術監督。
  


2008年03月04日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(2)制作秘話 

「映画が撮影された場所」の名付け親は?

「映画が撮影された場所」の名付け親は大林宣彦監督です。

広島県尾道市の美しい海の風景のなかで
「転校生」が生まれたのは25年前。
いまも多くの映画ファンの心をとらえ続けています。
その「転校生」が、50年後の未来の子どもたちのために、
と再びこの時代につくられました。

いま、この時代に何が大切にされなければならないか。
ロケがおこなわれた路地にたたずんで、それを思うと、
この映画は必然的な運命を背負って誕生したのだと実感することができます。

「映画が撮影された場所」は長野グランドシネマズ、長野ロキシー、
かどの大丸、門前農館にあります。

ぜひ手にとっていただき、長野の路地裏散歩に出かけてみてください。
宝物をいっぱい発見できるはずですから。



江守健治
  


2007年06月28日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(0)制作秘話 

長野に転校生がやってきた日


<2006年9月4日の日記>

きょう、大林恭子プロデューサーから電話をいただいた。
「長野で“転校生”を撮ることに決まったよ。でも、まだオフレコね」

北信濃のこの地をこよなく愛し、
数々の名作を残してくれた木下恵介監督から50年。
このたびは大林宣彦監督によって、それも名作「転校生」の
製作という身に余る至福に感激しつつ気を引き締めている。

いま、私たちは大林宣彦監督から夢のような
大きな贈り物を預かろうとしている。
この贈り物をしっかり抱えて、後から来る子供たちに渡したい。

大林組のみなさんと一緒に、長野市民のひとりひとりがこぞって、
かつて体験した事の無いような楽しい秋の祭りに
燃え上がることが出来るように頑張ろう。

そして、私たちのふるさとが「転校生」によって、全国の人々に夢と感動を与える
「映画の故郷」になると信じている。

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写真は、2006年10月26日、クランクインの日のお弁当です。


江守健治  


2007年06月27日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(2)制作秘話