「時をかける少女」ロケ地めぐり その20 番外編③

<干し餅>
雨の駅に迎えに来てくれた涼太と一緒に、相合傘で帰宅するあかり。
(携帯もない時代、そろそろ帰ってくるかと駅で待ってくれているのはなおさら嬉しいですよね)
2人は、お菓子をつまみながら、部屋で家族の話などを語り合います。




涼太のほおばっていたのが、秋田名物、干し餅。
テーブル上に、縄で縛られています。
(そのままでも食べられますし、うす焼きにして砂糖醤油に浸しておやつにしたり、
唐揚げにしてお酒のつまみにしたり、いろいろ楽しめます。
そのままでは水気がなく、飲み込むのに苦労します。
映画でも、頬張った涼太が、飲み物で流し込んでいました^^)

<腕時計>
そう、あかりの腕時計です。昭徳大学研究室でタイムリープするシーンでグルグル思いっきり
逆回転<もちろんCG>していましたね。
(その後も、涼太の部屋で寝ている時、コタツの上に置かれていたり、全編通じ登場しました。)

スウォッチのクロワッサンというモデルです。



(時計も、衣装同様、主人公の持ち物として様々な作品で人気が出ますね。
「踊る大捜査線」ドラマ版で青島俊作のつけていた<ハミルトン カーキキング>や
映画版の<ウェンガー70725>、それに「HERO」で久利生公平のつけていた
<オメガスピードマスター125>などなど。。。)



クロワッサンは、基本女性用モデルですので軽くコンパクトで、女性や、男性でも
手首の細い方であればジャストフィットします。

そのほかに、作り手さんの側のお話などをお聞きすると、また違うことがわかったりします。

谷口監督とは、とあるパーティで偶然お話をする機会があり、
この作品についてもいろいろお話を聞かせていただきました。
それについては、まだ公開されていない地域もあったりしますし、
ネタバレも何ですので、また機会があれば後日。。。

大林監督作品でないにもかかわらずツボにハマり何度も劇場に足を運んでしまったこの作品。
(25回!さらにSFJ機内上映プログラムでも1回観たので、計26回は自分でも当面破れないと・・・)
細かく観ればもちろんいろいろあるかもしれませんが、とても丁寧に、様々なことを吟味しながら
「愛」をもって作られていることがひしひしと伝わってきます。

出る作品作品で、全く異なるキャラクターに変身する仲里依沙さん。
大林監督がよく話されるジョニー・デップを彷彿させるその変身ぶりは、
生まれながらの女優としての力を感じさせ、これからの活躍がますます楽しみですね。
(どんな作品でも同じキャラ、というタイプの役者さんと正反対です。
また、台詞を完全に再現するよりも役柄に入り込み感性で演じるタイプです。
もちろん、良し悪しではありません^^。そういえば、先日某バラエティ番組でも、
彼女自身、好きな芸能人として、ジョニー・デップの名を出していましたね。)
初の長編映画で「名作」を任されプレッシャーもあったでしょうが、
とても丁寧に、作品に愛情をもって作り上げられた谷口正晃監督。
また、同じく初の長編映画脚本を見事にまとめられた脚本の菅野友恵さん。
それぞれ、若い世代の映画界を支えてゆかれるであろう皆さまの、これからのご活躍が楽しみです♪
(谷口監督は助監督として、そしてキャメラマンの上野彰吾さんも若手撮影スタッフとして、
伊参スタジオ映画祭で毎回上映される「月とキャベツ」にも参加されていたそうです。だから、
「時かけ」もどこか懐かしく観たことのある、デジャヴのようなものを感じたのかもしれません^^。)

しげぞー  


2010年07月02日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(4)ロケ地巡り

「時をかける少女」ロケ地めぐり その19 番外編②

そしてそして。
やっぱり、美味しそうな数々の食べ物に触れなくては^^。

<は~い、焼きたて~。>
以前ご紹介した、下総屋食堂さんのお料理一例です。
ご飯(普通盛りか普通盛り)、汁物(味噌汁か豚汁)を基本に、
それ以外に焼き物や煮物の一品料理を組み合わせます。

来訪したこの時は、映画とほぼ同じ組み合わせで、
ご飯(普通)・豚汁(豚汁はどんぶり、味噌汁はお椀)・
そして焼き魚(鯖)とかぼちゃの煮物をチョイスしました。
なんとも懐かしい味でおいしかったですよ♪




更に。。。

<シベリア(ヤ)>

「おやつに大人気!シベリヤ」「新商品!コロッケパン」
前の記事で、駅売店(ここに美術部さんが設置)に宣伝だけ貼られていたのが「シベリア」です。



ご存知ですか?シベリア。
カステラの間に水羊羹や餡をはさんだ和洋折衷のお菓子。
東日本中心に、昔からのパン屋さんではよく作られ売られていましたが、
作るのに釜が必要で、手間もかかるのでほとんど姿を消しました。
(大手製パン会社製品が時々コンビニで見られます)




なぜ「シベリヤ」なのかは諸説あるそうです^^;。
写真は、横浜・桜木町のコティベーカリーさま
(歴史あるこちらのパン屋さん、よくメディアでも紹介されます)の名物です。



(続く)

しげぞー  


2010年06月28日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(0)ロケ地巡り

「時をかける少女」ロケ地めぐり その18 番外編①

ロケ地めぐりからはちょっと脱線しますが、気にいった作品を何度も見ていると、
いろいろなことに気づいたり、とまた違った楽しみ方ができます。
台詞や演出、BGM、そして画面に映る小道具など。。。
では、番外編として、そんな楽しみ方、登場する食べ物やグッズなどについて。

まず、街角(富士吉田のこのカット)をCGで通過した都電です。



合成されたのは、都電・荒川車庫の「都電おもいで広場」に保存されている7504号です。
でも・・・よくみると、帯の色が青いんです。
荒川線は昭和53年(1978年)ワンマン運転を開始、
それに伴い走る車両も改造、帯をそれまでの赤から青に変更しました。
1998年に運用離脱、2001年に廃車されるまで「現役」でした。
映画ではこの車両の帯だけ赤に変えているとききました。



実は同じ形式の車両がほかにも何か所かに保存されていますが、
そのものずばりの1両が、小金井市の「江戸東京たてもの園」に。
7514号です。
こちらはワンマン化の対象外となって原型で保管されていたので赤帯のままです。
(こちらを使用したほうが技術的には楽だったかも??)



最初は、こちらの車両を合成したかと思いましたが、映画では確かに前者のようです。
というのは、サイドからのアングルだけですが、前ドアあたりの形は明らかにワンマン化後の車両でした。
 ・ドアの階段状ステップが埋められて、床とツライチになっている。
  (もともと都電は道路上に停留所があったので乗り降りするステップがあったのですが、
   荒川線はほとんど専用軌道<線路>なのでワンマン化と同時にホームがかさ上げされ、
   ステップが埋められました。)
 ・もともと運転台横のドアは前の曲線にかかって少し斜めだったのが、ホームに合わせて垂直に。
  (道路上から乗り込む分には曲線でもよいですが、ホームからだと平らでないと隙間ができて危険)
ほかにも、ワンマンすなわち車掌が乗務せず運転士だけになるので、安全面などを考慮、
 ・バックミラーの設置
 ・運転台の窓を上下2枚から1枚に変更
 ・側面の行き先表示版設置
などの変更もありましたが、最初の2点で判別できます。




また、「雨の音羽橋駅」こと下吉田駅で、改札の向こうに映った電車。
JR中央本線から乗り入れてくる115系電車ですが、
この型が下吉田駅の手前側ホーム(1番線)に右から
入線するのは1日に午前中の下り1本だけ。
しかも、休日は通過する上り特急列車とのすれ違いのため反対側2番線に入ってしまうので、
この映像を撮るのは平日午前の1回勝負!
撮影時のご苦労がしのばれます。
(失敗したら、翌日までチャンスなし!!)




(続く)

しげぞー  


2010年06月24日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(0)ロケ地巡り

「時をかける少女」ロケ地めぐり その17

そして・・・

◎神宮外苑・ジョギングコース(東京都新宿区 北青山一丁目付近)

-お分かりでしょうか??あかりが猛ダッシュするあのシーンです♪
 緑鮮やかな生垣の前を走るあかり。
 主題歌とともに83年版「時をかける少女」を髣髴させる書体で
 タイトルが流れるこのシーン、長年のファンにもじーんときますね。

 多くの市民ランナーばかりでなく、数々の有名マラソン選手も
 トレーニングで走った、外苑の周回コースで撮影されました。
 ただただ緑ですが、柵のみえない生垣はごく一部この区間だけです。
 (シンプルながら、あかりの爆走がとても印象的でした。)






ロケ地めぐりとしては一応これで終わりですが・・・
ちょっと脱線して<番外編>をもう少しお届けしましょう^^。

しげぞー

(続く)  


2010年06月21日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(4)ロケ地巡り

「時をかける少女」ロケ地めぐり その16

「時をかける少女」ロケ地めぐり、ストーリーに沿って、映画アングル風にまわって
きました。場所だけのご紹介というところもありますが。(桐生厚生総合病院さまなど。)

では、ちょっとマニアックなロケ地のご紹介をしましょう。
まずはここ。

◎御園生高校弓道場:神奈川県伊勢原市 青少年センター弓道場

-「立ち姿はイケてるんだよね(苦笑)」「さすが。」「ウルサイ(プン)」の。。。

(開成山公園の桜並木脇や、エンドロールの「横浜国大」にも弓道場がありますが、
  別の場所です。)

 伊勢原市は、年間利用できる弓道場があることや、高い技術を持つ指導者が多い
 ことなどから昔から弓道が盛んな地域です。
 地元の道灌まつりや市総体などでも弓道大会が行われています。
 活動拠点は青少年センターの弓道場です。

 昭和46年設立の伊勢原市弓道協会さまは、青少年センター弓道場を拠点に、
 10代から80代まで100名以上の会員が在籍し活動されています。
 近くにある東海大学弓道部の学生さんもこちらの弓道場を利用しているとか。




-矢が・・・(汗)なこのシーン、客席からも笑いが沸きますが、もともとは
 射った矢が的に届かない→「さすが(笑)」「立ち姿はイケてるんだよね(笑)」
 という設定だったとか。でも、このほうが面白い、とNGにならず採用に。
 (とはいえ、経験者でもないと、和弓を引く自体難しいですよね(笑))

しげぞー

(続く)  


2010年06月18日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(0)ロケ地巡り

「時をかける少女」ロケ地めぐり その15

◎あかりが父から8ミリ映写機を借りるグラウンド:群馬県桐生市 新川公園
-手前の2つのベンチ、左側の木、そして左遠景のビルと、
  芝生のグラウンド越しに見える正面の店舗がポイントです。




「8ミリなんて観るのか」「うん。」「題名は?」「光の惑星。」「・・・。」
「どうしたの?」
「いや・・・よくあるタイトルか。古いダチと昔撮った作品と同じタイトルなんだ。」
のくだりではあかりの背景に、この風景が映りました。



 新川公園、もとは新川球場という野球場だったそうです。
 1927年、桐生中学(現・桐生高)が第13回全国中等学校優勝野球大会(夏の甲子園
 の前身)初出場を機に地元で野球熱が盛り上がり、プール併設の野球場が作られたとか。
 台風による川の決壊などの被害を乗り越え、使い続けられましたが、
 老朽化で1987年に解体、跡地は公園として整備されました。
 地方球場ながら、落成記念として早稲田大VS法政大戦などいくつも大きな試合が開催され、
 終戦直後はプロ野球東西対抗戦が行われたそうです。
 (早実時代の王貞治氏も、桐生高との練習試合でマウンドに上がっているとか。)

 ちなみに、この近くにある、桐生厚生総合病院さまは、劇中の病院として登場しました。



映画のラスト、タイムリープや淡い恋、辛い別れを経験し(全て記憶は消えましたが)
人間的にひとまわり大きくなった?あかりが、
未来に向かって笑顔で一歩踏み出してゆくシーンで、
「何か分からないけれど感無量な気分で」満開の桜を見つめます。
(思えば、父からの電話をとるシーンでも「はい、芳山です」の語尾が、映画冒頭の
 今風ギャル口調から、落ち着いたものに変わりましたね。70年代色に染まったのか、
 成長したのか。。。両方でしょうね♪)

1年前は4/13ころが満開で撮影したそうですが、今年は遅くまで春の雪、
桜と雪の組み合わせとなりました。



しげぞー

(続く)  


2010年06月14日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(0)ロケ地巡り

「時をかける少女」ロケ地めぐり その14

◎涼太がバスに乗る新宿バスターミナル:群馬県高崎市 高崎音楽センター



 −高崎城跡に作られた音楽ホール。
  1961年に建てられ、日本のモダニズム建築の代表作と言われます。
  涼太が出てきた出入口、深町にあかりが腕をつかまれたシーンの大きな室外機もあります。
  停車する古いバス、様々な表示類やエキストラの方々のファッションなどで、
  昔の新宿長距離バスターミナル風に変身しました^^。
  (スキーウエアやカービングでないスキー板、ビンディングなど懐かしい♪)



(アナウンス)「−行きは、本日乗り場変わりまして・・・」



「すみません!秋田行きのバスはどこですか。」
「秋田行きのバスはあちらですよ。」



「涼太!涼太・・・涼太!」



「はなして!」
「未来から来た人間が過去を変えてはいけない。」
「なら私は未来に帰らない!」
 (☆左手に撮影者の小生が写ってしまいましたが、このアングルだとどうしても・・・。
 映画本編でもよく目を凝らすと、そこには何かが?!(笑))



−現実の新宿では当然撮影できませんし、昔のターミナル風で、夜を徹して撮影でき、
 バスを走らせるのにそれなりのストロークで直線が確保でき、東京から比較的近く・・・。
 まさにここしかない!という感じだったのでしょう。

 あかりが能代行きバスを追いかけるシーンは横からのアングルで、そこには弦楽器の形の
 公衆電話がありますが、地元の方はすぐ分かってしまうのでCGで消したと^^。

 このシーン、懐かしいデザインの観光バスが出てまさに1970年代なのですが、
 よーく見ると・・・。
 手前の秋田行きバスは前乗り中降りの路線バスタイプです^^。
 (巧みなアングルやカット割りでよくみないと気づきませんが。)

 また実はバスは2台しかありません。最初のカットで4台ありますが手前3台は同じ車の合成。
 秋田行きバス車内から見た能代行きバスのカットで2台になっているのも同様です。
 稼動する古いタイプの大型バスをそろえるご苦労がうかがえます・・・。

 撮影では、エンドロールにある、草軽交通さまのご協力で、同社の虎の子、
 車歴29年のノスタルジックなバス、日野RC701が使用されました。
 予備車ながら当時は現役で、毎年気候のよい時期に軽井沢近辺で時々稼動し、
 バスファンを楽しませていましたが、2010年3月の車検満了をもってついに退役、
 過去帳入りとなってしまいました。

草軽交通「日野RC701」さよならツアー
 
 映画製作が1年ずれていたら・・・既に解体・更地になってしまったゴテツのアパート、
 あさま荘同様、映画には「出演」できなかったわけです。
 下吉田駅も改装され、おでん屋台・月江寺商店街のアーチも撤去され・・・
 どれも昨年の春でなければ撮れなかった映像ばかりです。
 もはや現実には見られない風景がスクリーン上に記録され、いつまでも思い出として残るのは
 嬉しいですね。

 つくづく、大林宣彦監督がよく口にされる言葉
 「映画は辻褄のあったウソ(何事も偶然ではなく必然)」を痛感します。
 偶然や自分の意思で撮ったと思っていても、何か天上の大きな意思のようなものが存在し、
 その掌の中、このタイミングしかない、という感じで「撮らせてもらって」いる必然、と。

 スタッフやキャストがスケジュールを合わせてこの作品を作るため集まられたこと、
 ロケ地や当時を彷彿させる大小いろいろ貴重なもの。
 天候やスポンサーなどもそうでしょう。
 それらの条件が全てそろって1つの作品を作り出すのはほとんど奇跡です♪
 (1つ条件が合わなくても同じものにならないわけですから)

しげぞー  


2010年06月11日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(4)ロケ地巡り

「時をかける少女」ロケ地めぐり その13

◎あかりが吾朗とぶつかった地下街:
 神奈川県横浜市 桜木町ぴおシティ地下街B2F
 -赤い中華料理店、そして喫茶店の特徴ある店舗が映りました。
  どこか懐かしい感じのする、地下街です。
  (ほんの一瞬ですが、そのものずばり「ぴおシティ」の文字が・・・)








銭湯1回大人75円の時代(1974年)、コーヒー1杯が200円に・・・
(このカットだけは今の表示ですね(笑))

しげぞー  


2010年06月07日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(0)ロケ地巡り

「時をかける少女」ロケ地めぐり その12

◎尋ね人広告の掲載を依頼しにいった新聞社:

某全国紙本社ですね。エンドロールにも記載されています。
-映画では背景は空だけ、ビルなどありませんでした^^。
 (同業他社のビルということで、CG加工をしたそうです)



◎屋台で2人がおでんを食べていた橋たもとのおでん屋台:
 山梨県富士吉田市 月江寺大門橋
 -月江寺というお寺に続く道にあります。ナイトシーンでは
  ありましたが、川の曲がり方と流れる方向、川両岸の道にある柵と
  屋台の背後に映った土蔵、橋の下の排水口、そして左の道の街灯柱
  を頼りに見つけ出してたどり着きました。
  (ネット上の地図で候補を10箇所ほどピックアップ、3つ目にヒット♪)

  映画撮影当日は雨で水かさも多く、水音が大きかったため、アフレコに
  なったそうです。

  当時は橋右手に続く商店街入口に商店街名のアーチがあり「音羽橋商店街」
  と加工されていましたが、現在は撤去されています。




しげぞー  


2010年05月31日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(0)ロケ地巡り

「時をかける少女」ロケ地めぐり その11

◎8ミリ「光の惑星」撮影現場。

埼玉県本庄市 本庄市民プラザ
-元の本庄市役所で、現在は多目的室などを備えた公民館として、市の管理のもと、
 市民の皆さまの文化・サークル活動などに用いられています。
 また、彩の国本庄拠点FCさまがロケ地として紹介・活用、いくつもの作品に登場しています。



屋上にはあの階段が。



「従兄妹なんてウソだろ(笑)」「どうして?」



「見てればわかる(笑)。俺この映画撮り終わったら留学でアメリカに行くんだ。」



「行かないで、って言ったらどうするの?もし彼女が・・・」



「そんなこと言うわけない。むしろ1人で行ってこいって背中蹴られるよ(笑)。」



「ゴテツ!カット1だけど・・・ここ、ズームじゃなくてカメラ自体・・・」



「和子さん・・・もしゴテツさんがあなたを置いて遠くに行ってしまったらどうする?」
「またおかしな質問ね。それってアメリカのこと?」「それ以外でも。」



「この後は?」「備品を返しに行く。」
「一緒に行ってもいい?」「いいけど・・・機材屋だよ。」「じゃあ、ついてく。」



-少し離れて歩きながら、緑豊かなキャンパスの裏門に向かう2人の後姿・・・
 現実は普通の街中。なんとグリーンバック合成だそうです。

 「70年代の男って、めんどくさ(笑)」 
(映画では、施設案内図が昭徳大学学生会館に変えられていましたね)


しげぞー
  


2010年05月28日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(0)ロケ地巡り

「時をかける少女」ロケ地めぐり その10

◎尋ね人の告知広告掲載新聞を買う駅売店:
 -もちろんもうありませんが、下吉田駅の待合室、正面入り口前に、美術部さんが
  作ったセットでした。こだわりがすばらしい!
 -カウンター右「おやつに大人気!シベリア」・・・シベリアというお菓子ご存知ですか?
  これについてはまた後述。  
 -左手にある掲示板のポスターにはなぜか福岡・西鉄の特急電車が映っていました。



 (このシーンでは尋ね人の新聞記事にも注目!深町カズオへのメッセージの右のほうに、
  「犬さがしてます。名前はハチ。犬種:秋田犬。渋谷駅で行方不明。上野英三郎」と。
  リアルハチ公とそのご主人様、東京帝国大学農学部教授のお名前です^^;。
  昨年話題になった「HA○HI」ネタ?

  そういえば、最初のほうで父(長谷川政道)から母(芳山和子)あての10/27 22:07発信の
  メールに「来月から4ヶ月間立山連峰に行く。雪山撮影。」とあったのは「剱○」ネタ?

この作品、いろいろな隠し設定などがちりばめられ、それらを見つける楽しみもあります。

上記「ハチ公」ネタ以外にも例えば…部屋で涼太が尋ね人広告を提案するシーン、
この新聞広告にも、同じく右の方に「秋田洋」という名前があります。
既に「秋田」フラグが立っていたと。
(ハチ公も秋田犬で秋田ネタの三段活用(笑)。秋田⇒秋田犬⇒ハチ公⇒上野教授・・・)

そして更にマニアックに。
前述のメール、発信者アドレス(父)が「masamichihasegawa5102@・・・」。
masamichihasegawaはともかく5102って?5と10と2に分け英語読みも混ぜると
ゴ・テン・ツー・・・。父が誰かヒントが・・・(^-^;。

そしてそして、それ以前にも、ストーリーにかかわる大きな伏線があったのです。
看病で徹夜明け、病院の待合室で放心状態のあかり、
TVに流れていたワイドショー「ニュース・タイムトラベル」に、
コメンテーターとしてあるキーパーソンが出演していました。(声だけですが・・・)
 
「実は私も、この事故で親しい友人を亡くしまして・・・当時はまだ駆け出しの役者で
アングラの芝居などをさせてもらって充実した毎日でした。大切な時期でしたが・・・」

亡くした友人とは?
新聞広告とはまた違う意味で、これぞ脚本の妙!とうなりました。
(その人物のシーンも撮ったそうですが、開始早々、先の展開がネタバレする懸念もあり、
初見の方には気づかれず、何度も見直しようやくわかる形で埋め込むことにしたそうです。)

徹夜明けのぼんやりした頭で「1974年3月2日」の事故をTVで耳にしたから、
あかりはこの後、あの大間違いをしてしまったのでしょうか(笑)?

しげぞー  


2010年05月24日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(0)ロケ地巡り

「時をかける少女」ロケ地めぐり その9

◎涼太が迎えにきた雨の駅:
 山梨県富士吉田市 富士急行 下吉田駅
 -駅舎は2009年7月リニューアル改装。
 撮影はその前の2009年春。都内の設定ということで、背景の山はCGで消したとか。
 劇中、駅前のタバコ屋さん前に停まっていた車(白の日産スカイライン)は、最初のほう
 でCGの都電が横切るシーンにも登場しました。
 (これも同じ富士吉田市。駅の近隣で撮影、と確信したきっかけでした)
 改札の向こうに映る青とクリーム色の電車はJR中央線から乗り入れるスカ色115系 です。
 (右手<大月側>から走ってくる下りは平日1日1本、休日でも+もう1本、
 午前中の計2本だけです。撮影時は一発勝負だったでしょうね^^。
平日の定期列車は3両、休日の臨時<ホリデー快速>は6両編成です。画面で数えると・・・?)






しげぞー  


2010年05月21日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(0)ロケ地巡り

「時をかける少女」ロケ地めぐり その8

◎配達中の吾朗に、あかりと涼太が和子のことを尋ねる駄菓子屋さん。
 東京都葛飾区 某所(住宅街の中ですので、詳細は差し控えます^^)

 -セットではありません。実在の、そして現役の駄菓子屋さん。
  時折、テレビや雑誌などのメディアでも紹介されているようです。
  (映画「20世紀少年」にも登場、4月の雑誌「東京散歩」にも
   掲載されてました。)
  この日も、ご近所の子供たちが、小銭を握りしめて買いに来ていました^^。



「いやぁ、びっくりしたよ。吾朗おじちゃんなんて(笑)。」



「そうだ、吾朗くん、和子ちゃんの高校と住所教えてくれない?」
「いいけど・・・住所はウチ帰らないとわかんね。配達終わってから、夜電話してくれない?
894-4141、ハクヨ、ヨイヨイ。浅倉酒店(笑)。じゃ。」

この電話番号、2010年の今もそのまま引き継いでいるんですね。(1ケタ増えましたが)
軽ライトバンの後ろの窓にステッカーが。03-「8」894-4141。

そしてもう1つ。この軽ライトバン、ナンバープレートまで「4141」(笑)。

子供たちが野球をしていた、目の前の空き地はもうありません^^。

(続く)

しげぞー  


2010年05月17日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(0)ロケ地巡り

「時をかける少女」ロケ地めぐり その7

◎あかりと和子が話す喫茶店:
 神奈川県横浜市 純喫茶「モデル」さま
 -店内だけですが昭和40年代に開店し、今も当時の雰囲気を残す店内。
   映画の設定1974年にはばっちり?
(当時は開店からまもなかったので、ここまでの重厚な趣きはなかったかもしれませんが(笑))




店内はレンガで仕切られています。
映画では、左側のレトロなレジスター(現役です)、右のクーラーが映りました。




窓に面したこの席で、あかりと和子が語り合いました。
表が見えないよう窓は覆われてましたね。




映画に出たソーダ水(メロンソーダ)はメニューにあります。
(あのソーダ水のグラスは小道具。普通はこれです^^)。
水のグラスとコースターはお店のもののようですね。




レジ隣には、撮影時のサインとスナップ写真が飾られています。(現在は谷口監督のサインも^^)

(続く)

しげぞー  


2010年05月14日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(4)ロケ地巡り

「時をかける少女」ロケ地めぐり その6

◎和子が通う横浜の高校正門:
 神奈川県横浜市 谷戸坂(港のみえる丘公園横)

 -遠方に横浜マリンタワーを望み、横のブラフ積みの石段が印象的でした。



マリンタワーを正面に、車道と石段があります。横浜元町から港のみえる丘公園方面に
続く谷戸坂の「旧坂」のほうです。



高校の正門は、「港のみえる丘公園」フランス山の門でした。




和子に深町のことを尋ねる木の根も門の横にあります。



「頼んだ本人が知らないっていうんじゃ仕方ないな。やっぱり心霊写真じゃ・・・」
「そんなわけないでしょ?だって、自分で薬まで作ってこようとしたんだから。」
「それはそうだよな・・・」



「ちょっと寄り道してゆきませんか?」
「うん・・・」

(続く)

しげぞー  


2010年05月10日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(0)ロケ地巡り

「時をかける少女」ロケ地めぐり その5

◎「ゲキカワコーデ」&「リアル神田川」の銭湯:東京都文京区 「月の湯」さま

 -戦前からの破風造りの建物で趣あり週3日営業です。内部もあのままです。
  休業日は映画やドラマでも使われるとか。



全景です。戦災にも耐えた風格ある建物です。



「おっ風呂~、お風呂~♪」



「お待たせ~♪」
「遅い・・・」
「どう?ゲキカワコーデ。ナツコさんに借りたの。イケてるっしょ♪」



「あっ!リアル神田川!ホントにあんだね~^^」



「あれ?涼太?今見とれてたでしょ。」
「そんなわけないだろ!寒っ!」
「にひっ!♪」

(続く)

しげぞー

追記

いよいよ本日から長野グランドシネマズさんで「時をかける少女」の上映が始まります。

長野グランドシネマズ上映情報 ←詳しくはこちらをクリック下さい☆
  


2010年05月08日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(0)ロケ地巡り

「時をかける少女」ロケ地めぐり その4

◎「涼太、うちに泊めて!一緒に探して!」
 買い物客でにぎわう商店街:東京都豊島区 日の出優良商店会

 -雑司ヶ谷ではないですが、設定どおり、都電荒川線からほど近いところにある商店街です。






映画では、シャッターが完全に開いていて、ウインドウに懐かしい「TOYOTAセリカ
(通称ダルマセリカ。グレードはST?)」の写真が貼られていました。
(理髪店の回転サインはそのままです)

(続く)

しげぞー  


2010年05月07日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(0)ロケ地巡り

「時をかける少女」ロケ地めぐり その3

◎「道全然わかんない。一緒に来て!」都電の横切る商店街:山梨県富士吉田市 富士みち
 -左の精肉店さま、右の家具店さまの看板がポイントです。
  赤帯の都電はCGで、ワンマンになる前、都電荒川線などに走っていた7500形です。
  荒川車庫に1両保存されていますが、ワンマン使用され青帯です。時代考証から赤帯に
  したそうです。また、赤帯の現物は東京たてもの園に同型車両が1両保存されています。
 


「道、全然わかんない。一緒に来て。」



車の停車している赤信号を、右から左に都電が通過します。
普通の交差点です。細かいところですが、センターラインは黄色から白に変えられました。

◎世田谷西中学校(和子が通っていた中学校): 埼玉県本庄市中央 本庄西中学校です。




この正門に「世田谷西中学校」の看板が掲げられ、何度か登場しました。

◎「これが2010年の技術よ♪」涼太とあかりが昼食を摂った定食屋:
  東京都墨田区 「下総屋食堂」さま

 -いまや少なくなった下町の定食屋さん。最近はドラマでもよく登場します。
 (阿部寛さんの「白い春」など)




セットではありません。現役バリバリの「めしや」さんです。



ご飯(大中小)と汁物(味噌汁or豚汁)、それに焼き物や煮物の一品料理を
おかずに選んで組み合わせる、昔ながらのお店。
小生も、「焼き立て~」の焼き魚とかぼちゃの煮物、そして豚汁をいただきました♪

大衆食堂の1ジャンル、「民生食堂」を今に伝えるお店です。

「民生食堂」とは?戦前「外食券食堂」というものがあったそうです。
戦時中の厳しい食糧事情下で、米が配給制となり、
昭和16年、食堂自体が完全登録制になりました。
当時は、旅行者であっても、「米穀通帳」を提示して役所から外食券を
交付してもらわないと外で食事できなかったとか。
戦後復興の中でヤミ米が出回ったり、外食券不要の食堂が増えたりする流れの中、
昭和26年、外食券制度は廃止され、それまでの外食券食堂が、
東京都指定の「民生食堂」に生まれ変わったとか。(東京都指定食堂協同組合の加盟店)
低所得者層にも栄養価の高い食事を提供する、というのがその目的でした。

街でもあまり見かけなくなりましたが、「大衆食堂」の多くは、
この民生食堂の流れをくむところだそうです。

(続く)

しげぞー  


2010年05月03日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(0)ロケ地巡り

「時をかける少女」ロケ地めぐり その2

◎「え?連絡とってるの?」ボート池のある公園:
  東京都大田区 洗足池公園

-池畔には、時計回りで3/4周の遊歩道があります。
 建物や地形(左側の太鼓橋と右側のお手洗い)がポイントです。
 太鼓橋側からぐるっとカメラ(とボート)がまわります。
 この池の特定は、1年前のエキストラ募集記事(大田区)と、
 画面に映った3連の太鼓橋でした。





◎涼太のアパート「朋風荘」:
  外観は埼玉県所沢市 某所。室内は日活撮影所のスタジオで撮影したそうです。

 -設定上は「東京都豊島区雑司が谷」でした
  (門井が電話を取るシーンで1階のポストが映ります)。
  





アパートといえば、同様に趣があった、ゴテツこと長谷川正道の住む「あさま荘」は
群馬県高崎市でしたが、既に存在しません。

(続く)

しげぞー  


2010年04月30日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(0)ロケ地巡り

「時をかける少女」ロケ地めぐり その1

毎度おなじみ、ロケ地めぐりです。

今回は谷口監督・仲里依沙さん主演の2010年『時をかける少女』のロケ地をめぐります。
劇場に何度か(両手に余る回数^^;)足を運び、目を皿のようにしてヒントを探したり、
パンフやネットで探して見つけました。
「時をかける少女」だけに、関東近辺(東京、埼玉、神奈川、群馬)を中心に、北は福島、
西は山梨まで幅広く「街をかけ」て撮影されました(笑)

限られたヒントをもとに、ロケ地を見つけ出し、ようやくたどり着いた時のドキドキ感・・・
これがロケ地めぐりの醍醐味ですね♪

※所在地は、映画のエンドロールやパンフレットへの記載、監督・出演者の方々の
 インタビューなどで言及されたもののみ書いています。
 (公共施設や商店などの場合は名称を入れるケースもありますが、基本的には市町村名までとし、
  あえて公開されていない場所は、個人宅のプライバシー、
  その他もろもろを配慮して詳細を差し控えます。)

ストーリーにそってゆきましょう。

◎昭徳大学への通学路、「光の惑星」ラストシーンの桜並木:
  福島県郡山市・開成山公園のさくら通り沿いの桜堤

-見事な枝ぶりは明治初期に植えられた老木。
 地面を踏み荒らし根を痛めて開花に影響しないよう、映画のように並木を歩くことはできません。



映画で登場したのは大体このアングルでした。左右の木々と、
正面やや左側の3本の若木が目印です。

◎「ミラクルおきた~!」大学入試の合格発表会場、
そして吾朗が深町のおばあさんから預かった写真を和子に手渡した昭徳大学。:
  東京都八王子市 東京薬科大学。

-手前の池は<ベンゼン池>。
薬科大ならでは、ベンゼンの化学式に似た形です。



映画では、この正面に掲示板が立てられました。
右側のモニュメントも一瞬映りました。



和子と吾朗が会う、大学の玄関前。
上のスナップ左側の建物です。



和子が出てきた玄関です。

(続く)

しげぞー  


2010年04月26日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(4)ロケ地巡り