小路こみち・水路みずみち・巻のまち ①
ながのまちあるき番外編 ~「鯛車のまち・巻あるき」
2008年度に長野市で行われた「全国路地サミット2008 inNAGANO」。
「転校生 さよならあなた」のロケ地にもご案内したまちあるきが行われました。
今年は新潟市にて「全国路地サミット2010 inNIIGATA」が開催され、
2日目は「鯛車のまち・巻あるき」のプログラムでまちあるきが開催されました。
早速その様子をお伝えしたいと思います。
まずは巻まちの説明を致しましょう。
-新潟の南西部、西蒲原区巻は荘園時代にまちの原型ができ、
戦国時代には「巻舘(まきたて)」という上杉氏系譜の平城や江戸時代には長岡藩の代官所が置かれ、
西川の舟運で栄えた歴史があります。
明治以降は当時の西蒲原郡の郡都として官公庁や学校が多く設置され、
地域の行政、経済・文教の中心でした。
江戸時代から基本的な町割りがほとんど変わっていない巻のまちなかは、
南北に通りと水路が走り、そこに趣きのあるいくつもの小路が東西に交わっています。
また最近では江戸末期から続くと言われる郷土玩具「鯛車」を地域キャラクターとして
活かし、市民レベルでまちづくりが進められています。-
最初に巻町立郷土資料館で大変に珍しく貴重な「のぞきからくり」公演を見学致します。


「のぞきからくり」の源流は17世紀に到来したヨーロッパの「眼鏡絵」と「覗き眼鏡」
(遠近法で描いて銅版画を凸レンズで覗くもの)といわれてます。
屋台前面のレンズがついた覗きメガネから中をのぞくと絵が浮き上がって見えます。
口上師が絵を入れ替えながら、独特の節回しで物語を語り、
明治から大正にかけて全盛期を迎え、昭和初期頃までは大道芸の一つとして縁日で上映されたそうです。
全国で最も保存良好で完全なるものとして保存されている巻町の「のぞきからくり」は
巻町文化財に指定して町の誇りとして後世に伝え得る貴重な民俗資料とされてます。
演目は「幽霊の継子いじめ」です。

そこで購入した巻町郷土資料館資料目録No.10
『のそきからくり―その構造と機能―』よりさらに詳しくご紹介しましょう。
-「のぞきからくり」は、江戸末期に生まれた大道芸の1つ。
屋台前面のレンズがついた覗きメガネから中をのぞくと絵が浮き上がって見える。
口上師が絵を入れ替えながら、独特の節回しで物語を語る。
明治から大正にかけて全盛期を迎え、昭和初期頃までは縁日で上映された。
国内で上演できる状態で残っているものは巻郷土資料館の一台のみで演目は「幽霊の継子いじめ」
江戸末期にその発生を見て、明治時代に完成発達し、
大正年間には全国津々浦々までその足跡を残して、
昭和の太平洋戦争前まで、一般大衆に親しみ楽しまれてきた娯楽施設であった
「のぞきからくり」は、映画更にテレビの普及によって完全に過去の遺物になり、
その語りも装置も全て消え去ろうとしていた。
これが、我が巻町に一組だけ篤志家の厚意により大切に保存されており、
また、蒲原一と謳われた語り大夫も健在で、ここに一連の記録を止め、なお現在の保存がなされて
後世に伝えることが出来たのは幸いである。
「のぞきからくり」のルーツは意外と古く「絵解き」と呼ばれ、
仏の教えや寺の縁起などを掛物に仕立て、
それを物語風に解説(説教)するもので、現在もある寺院で行われているものが源流であろうとされている。
その後、すでにお隣の中国では、17世紀にこれに類するものがあったと推定されるが、
我が国では江戸時代(享保5年=1720年)に西洋から、線遠近画法が伝えられると、
浮世絵の仲間として「眼鏡絵や浮世絵」と呼ばれるものに発展し
「覗き眼鏡」(正保3年=1646年には伝来している)と
言うレンズを通して見るものとなり、一般大衆に観賞されるようになった。
はじめは「おおのぞき」と呼ばれる、一個の箱に1個のレンズで一枚の絵を見る形式が、
後にはこの箱を数個並べて順次覗き、一連の物語が構成される仕組みに発展し、
江戸時代後期(1760年代)に改良されて現在の素型になったものと思われる。
そして、文明開化の波に乗り、大衆娯楽施設の充実の共に、一層の改良が加えられ、
ガス灯やカーバイトランプ、更に電灯とその光源の発達変化によって、より華麗な教えが画かれ、
立体感を深めるように工夫されて現存のものとなったのである。
やがて、活動写真(映画)の登場と、子供達には紙芝居が巡回すると衰退がはじまり、
昭和初期(10年頃)まではまだ祭礼、縁日などの演し物として命脈を保ってきたが、
戦後は完全にその姿を消してしまった。
現在保存が確認されているものは、我が巻町の他に、豊中市(原野農芸博物館)と、
北九州市(北園忠治氏蔵)の3台のみで、北海道(岩内郷土館)では
中ネタの一部が保存展示されているされているのみである。
この中ネタや看板絵などはまだ全国各地の納屋の奥に眠っているものと考えられる。
さて、「のぞきからくり」の始まり~、始まり~。

続く
2008年度に長野市で行われた「全国路地サミット2008 inNAGANO」。
「転校生 さよならあなた」のロケ地にもご案内したまちあるきが行われました。
今年は新潟市にて「全国路地サミット2010 inNIIGATA」が開催され、
2日目は「鯛車のまち・巻あるき」のプログラムでまちあるきが開催されました。
早速その様子をお伝えしたいと思います。
まずは巻まちの説明を致しましょう。
-新潟の南西部、西蒲原区巻は荘園時代にまちの原型ができ、
戦国時代には「巻舘(まきたて)」という上杉氏系譜の平城や江戸時代には長岡藩の代官所が置かれ、
西川の舟運で栄えた歴史があります。
明治以降は当時の西蒲原郡の郡都として官公庁や学校が多く設置され、
地域の行政、経済・文教の中心でした。
江戸時代から基本的な町割りがほとんど変わっていない巻のまちなかは、
南北に通りと水路が走り、そこに趣きのあるいくつもの小路が東西に交わっています。
また最近では江戸末期から続くと言われる郷土玩具「鯛車」を地域キャラクターとして
活かし、市民レベルでまちづくりが進められています。-
最初に巻町立郷土資料館で大変に珍しく貴重な「のぞきからくり」公演を見学致します。


「のぞきからくり」の源流は17世紀に到来したヨーロッパの「眼鏡絵」と「覗き眼鏡」
(遠近法で描いて銅版画を凸レンズで覗くもの)といわれてます。
屋台前面のレンズがついた覗きメガネから中をのぞくと絵が浮き上がって見えます。
口上師が絵を入れ替えながら、独特の節回しで物語を語り、
明治から大正にかけて全盛期を迎え、昭和初期頃までは大道芸の一つとして縁日で上映されたそうです。
全国で最も保存良好で完全なるものとして保存されている巻町の「のぞきからくり」は
巻町文化財に指定して町の誇りとして後世に伝え得る貴重な民俗資料とされてます。
演目は「幽霊の継子いじめ」です。

そこで購入した巻町郷土資料館資料目録No.10
『のそきからくり―その構造と機能―』よりさらに詳しくご紹介しましょう。
-「のぞきからくり」は、江戸末期に生まれた大道芸の1つ。
屋台前面のレンズがついた覗きメガネから中をのぞくと絵が浮き上がって見える。
口上師が絵を入れ替えながら、独特の節回しで物語を語る。
明治から大正にかけて全盛期を迎え、昭和初期頃までは縁日で上映された。
国内で上演できる状態で残っているものは巻郷土資料館の一台のみで演目は「幽霊の継子いじめ」
江戸末期にその発生を見て、明治時代に完成発達し、
大正年間には全国津々浦々までその足跡を残して、
昭和の太平洋戦争前まで、一般大衆に親しみ楽しまれてきた娯楽施設であった
「のぞきからくり」は、映画更にテレビの普及によって完全に過去の遺物になり、
その語りも装置も全て消え去ろうとしていた。
これが、我が巻町に一組だけ篤志家の厚意により大切に保存されており、
また、蒲原一と謳われた語り大夫も健在で、ここに一連の記録を止め、なお現在の保存がなされて
後世に伝えることが出来たのは幸いである。
「のぞきからくり」のルーツは意外と古く「絵解き」と呼ばれ、
仏の教えや寺の縁起などを掛物に仕立て、
それを物語風に解説(説教)するもので、現在もある寺院で行われているものが源流であろうとされている。
その後、すでにお隣の中国では、17世紀にこれに類するものがあったと推定されるが、
我が国では江戸時代(享保5年=1720年)に西洋から、線遠近画法が伝えられると、
浮世絵の仲間として「眼鏡絵や浮世絵」と呼ばれるものに発展し
「覗き眼鏡」(正保3年=1646年には伝来している)と
言うレンズを通して見るものとなり、一般大衆に観賞されるようになった。
はじめは「おおのぞき」と呼ばれる、一個の箱に1個のレンズで一枚の絵を見る形式が、
後にはこの箱を数個並べて順次覗き、一連の物語が構成される仕組みに発展し、
江戸時代後期(1760年代)に改良されて現在の素型になったものと思われる。
そして、文明開化の波に乗り、大衆娯楽施設の充実の共に、一層の改良が加えられ、
ガス灯やカーバイトランプ、更に電灯とその光源の発達変化によって、より華麗な教えが画かれ、
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やがて、活動写真(映画)の登場と、子供達には紙芝居が巡回すると衰退がはじまり、
昭和初期(10年頃)まではまだ祭礼、縁日などの演し物として命脈を保ってきたが、
戦後は完全にその姿を消してしまった。
現在保存が確認されているものは、我が巻町の他に、豊中市(原野農芸博物館)と、
北九州市(北園忠治氏蔵)の3台のみで、北海道(岩内郷土館)では
中ネタの一部が保存展示されているされているのみである。
この中ネタや看板絵などはまだ全国各地の納屋の奥に眠っているものと考えられる。
さて、「のぞきからくり」の始まり~、始まり~。

続く
西の門市開催!
本日もんけん開催!
【TAROへの旅~すわぶらり~】 ④
「長野・門前暮らしのすすめ」プロジェクトの報告会と座談会
「長野市民会館 50年の記憶」好評発売中
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2010年11月18日 Posted byひがしざわ at 08:00 │Comments(0) │まち巡り
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