レポ!ながの映画祭⑤

師匠の噺が感動のエンディングを迎え、続いて舞台上に椅子とマイクがセッティングされ、
志らく師匠と大林監督のシネマトークショーに移ります。

レポ!ながの映画祭⑤

お互いにファンであるお二方、舞台上でお互い拍手をして近づきながら、がっちり握手。
それぞれを称えながら、大好きな映画について広く、
また深い博識をもとにいろいろな話題で場内を沸かせます。

懐かしい作品、最新の作品、お二人の口からは沢山の映画の題名がぽんぽんと飛び出します。
何しろお二人とも話し出したら止まらない!
ユーモアやウイット、時にはちょっとシビアでブラックなジョークなど交えつつ、
リアルとバーチャル、ドキュメンタリーとファンタジー、夢などを話題に、
映画の魅力について語っていただきました。
いろいろなお話の中で1つ印象的だったのは「映画におけるリアルさ」についてのやりとり。

映画の描写にはいろいろこだわりがあってしかるべきだが、
それは必ずしも現実と完全に同じである必要はない。
美化されたり、こうありたい、こうあってほしい、というのを描くのが映画だと。

志らく師匠も、最近大ヒットの、昭和30年代の暮らしを描いた作品など、CG技術の進歩もあり
実にキレイでリアルな絵が描かれているが、「あー、キレイだなー。よくできているなー。」と思うが、
そちらに神経がいってしまい、フシギとどっぷり感情移入までは・・・
もちろん、とてもがんばって作られた作品ということは伝わってきますが。
あ、あくまでも個人的感想ですよ、と。

それを受けて、大林監督もこんな話を。
この日上映される「なごり雪」。ヒロインの雪子は交通事故で入院、
まもなく命の灯が消えようとしている。病院のベッドに全身包帯ぐるぐる巻きで横たわる。
最初脚本では、ダンプにはねられて大怪我、とするつもりだった。
それを読んだ方に「でも・・・臼杵の町にダンプは似合わない。」と指摘されてはっとしたとのこと。
ストーリーや設定など十分注意を払っているつもりだったが、
実際にその土地のことをよく知っている方に確認することの大切さに気づいたそうです。
臼杵は高度成長期、大企業の進出を拒み、古くて落ち着いた街並みを残す道を選んだ町。
すれ違いも困難なほど、昔ながらの狭い路地だらけで、その街中をダンプが
びゅんびゅん走り回る、ということはありえない、と。
そこで、設定を変え、バイクで走っている時、飛び出した猫をよけようとして転んで怪我、と。

猫をよけて転んで全身包帯?という指摘もいろいろいただいたが、そういった部分でのリアルさは
映画の中ではいくらか目をつぶってよいのではないか、と。
映画は空想の世界、<夢>を描くものであるから。
(SFX映画が描いた戦争がテロリストにヒントを与えてしまったお話、
そのことに気づいたルーカス監督がメガホンを持つのをやめた・・・というお話に。)

あっという間に時間は過ぎ、場内割れんばかりの拍手の中、トークショーはお開きとなりました。

<続く>
しげぞー


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2008年01月07日 Posted byひがしざわ  at 08:00 │Comments(0)みすずかるしなのNAGANO映画祭

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