映画“転校生　さよならあなた”日記

「HOUSE」上映&トークショー、立見も出るほどの大盛況でした。
公開から30年以上経っても満員…やはり映画の力はすごいですね。
大場さんは今も変わらず「ファンタ」でした。監督とも年賀状のやり取りこそされていたものの、実際に会うのは34、5年ぶりだとか。
トークの最後、監督が今回の震災に関してコメントされました。
「おりしも九州・大分で松原愛さん（「HOUSE」の＜ガリ＞役）と演歌のPVを撮っていた時、震災の報が入りました。
僕たちのできることは何だろうと考え続けています。とても痛ましく、つらい想いをなさっている方々が被災地にたくさんいらっしゃいます。。。
今回の震災、国民が皆＜外交＞をされています。日本人の美しさや賢さが世界に報道されて世界中の人たちが友情を持ってくださっている。僕たちは、被災地で一所懸命生きておられる人たちから多くのことを学びながら、自身がこの「毎日」「日常」をいかに賢く過ごすか問われています。
もちろん、こういう時に映画を観るのはどうかという考えもないわけではありませんが、ささやかな日常、こうして皆で映画を観られるのはありがたいことだと、改めて誰かの心を思いやる機会にもなります。そういう力をもらった以上、全力でお返ししなければならない。
明日から新潟の長岡に行き、シナリオを描き上げようと思っています。長岡の花火は追悼の花火。敗戦による戦災、そして中越大地震の追悼花火です。被災されて亡くなった方を思いやり、自分たちがどう生きるべきか考える・・・そういう作品の準備を進めていたところ震災が起こりました。より一層、今だからこそ、この映画をやらねばという気持ちになっています。
長岡は今回の震災でもいち早く被災地に手を差し伸べました。自分たちが助けてもらったことを覚えてらっしゃって今度はお返しをする番だと。そのように人々が一所懸命生きておられる場所に行ってシナリオを仕上げようと思っています。
映画には人に力を持ってもらう力があります。世の中つらいことや苦しいことが多いですが、それを描きだしたら映画の役割はなくなります。映画が描くべきは夢や希望、勇気・・・。
福島の少年が言っていました。「頑張る、なんて普段は恥ずかしくて言えない。でもこういう時だからこそ言います。僕は頑張ってこの故郷を再生します。いつか誰かに恩返しできるように。」と胸を張って。
それが映画。勇気や夢を持とうなんて普段は照れくさくて言えない。でもその恥ずかしさに負けていたら映画の力はなくなる。そういう時こそ自分たち映画人は、夢や勇気、希望を皆さんに味わってもらえるような映画を作り続けることが役目だと思います。映画を愛してくださる皆さんも、心の中の誇りとして一緒に支えていただけるとうれしいです。」

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