『BUNGO~ささやかな欲望』 in 伊参スタジオ映画祭⑤
松岡「もう一つだけ、映画の話をしますと、第二次世界大戦のちょっと前、日中戦争が始まって最中にある夫婦を画いた訳なので、今の夫婦像というか、愛情表現の仕方も、また違ってくるとは思うのだけれども、なかなかああいう形で役をやるということは、おふたりは以前にもやられたことはあるかもしれませんけれども、多分、今までそれほど経験したことがない役柄だったんじゃないかなと思うのだけれども、ああいう夫婦愛みたいなものや、自分が誰かを好きになって許したり、強くなって乗り越えていく、みたいなことは、理解できるものなのですか。」
波瑠「うーん。理解はできているのだと思います。」
松岡「自分だったらどうということはありますか。」
波瑠「うーん。どうなんだろう。ただ、前に監督とお話しをしたのですけれども、今の時代は、ゴールが結婚じゃないですか。でも、この二人の関係は、お見合いをして、結婚からスタートしている。やっぱり、全然、時代背景というか、そういうもので変わるものなんだなっていうことに、凄くびっくりしました。何か今との違いを気付かされた感じです。」
結婚とお見合いの違いの話は、以前この日記でもレポートさせていただいた丸善書店さんでの公開直前トークイベントでのことですね。
松岡「なるほど。仮に、あのように旦那さんが告白して来たら、波瑠ちゃんはどうしますか。絹子はああいう行動をしましたが。」
波瑠「もし、私が結婚をして、「子供がいるんだ」って言われたら、ですよね。」
松岡「時代背景にもよるかもしれないけれども。」
波瑠「そうですよね。」
松岡「現在の波瑠ちゃんだったら、どうしようと思いますか。」
波瑠「どうするんですかね。」
松岡「どうしますか。」
波瑠「どうしますか。あはは。どうしましょう。」
三浦「先に言えよって感じですよね。」
波瑠「本当にそうですよね。」
松岡「そりゃそうだよね。」
谷口「その実感は、僕も分からないけれども、撮る方としては、ただ何か昔の人って、今も話があったように、何かこう、凄く自分にとっては痛い辛いことだと分かっていても、それを全部受け入れる大きさというか深さがあって、それが絹子という女性の強さだなと思って。」
松岡「三浦君が今まさに言ったけれども、普通に考えたら、「先に言えよ」というか、なぜ俺は言わなかったまま結婚したんだろうって、やっぱりなっちゃうじゃないですか。」
三浦「いや。いまの時代だったらそうですけれども、あの時代はやっぱり、そんなに付き合い方が今みたいに恋愛結婚が普通ではないので、お見合いをして、結婚するという中で、なかなか、その告白する機会も少ないと思うのです。今だったら、恋愛して結婚するのだから、「恋愛している途中で言えよ」というようなことになりますが。」
松岡「なるほどね。それが、さっきと同じで、分からなかったから、そこから色々なことが生まれて、色々と出来てくるということですね。」
谷口「後は、戦争というものがあって、人の死とか、理不尽に人が引き裂かれたり、色々な辛いことを抱えている人が、多分いっぱいいた時代のときに、不幸というものの捉え方が、今の僕らとは全然違ったことがたくさんあったのかなということは想像したのですが。」
松岡「そうだよね。良いことか悪いことかは置いておいて、別れということが今よりももっともっと多い時代だったから、そこの中で、人は悲しむだけじゃない、成長していくということが、全般的に、林芙美子さんの原作は、それを描いているなという気はしますね。そんな強い昭和の夫婦を、こんな若いふたりが演じてくれてね。」
谷口「良くこのふたりが引き受けてくれたなと思っています。」
松岡「本当にそうだよね。ありがとうございました。」
波瑠「こちらこそ、ありがとうございます。」
「ふふふっ。」と照れ笑いをしながら、感謝の言葉を返す波瑠さん。
(体育館内に置かれた映写機)
松岡「お時間ということで、ここら辺で終わりにしたいと思いますが、せっかくなので、今なさっている活動ですとか、これからやる作品などがありましたら、告知などどうぞ。」
波瑠「良いですか。」
松岡「どうぞ。」
波瑠「来年、年明けになってしまうのですが、NHKのドラマ『書店員ミチルの身の上話』という連続ドラマに出演します。ぜひ観てください。」
松岡「どんな役なのですか。」
波瑠「主人公の妹なのですけれども。」
谷口「佐藤正午さんという方が書いた面白い小説でね。お姉ちゃん役が、戸田恵梨香さんですよね。」
「書店員ミチルの身の上話」は、NHK総合テレビジョン「よる★ドラ」枠として、現在、毎週火曜日22時55分か23時24分の時間帯に放送されています。(放送は3月12日まで)。同番組には、大林組の寺島咲さんも出演されています。
松岡「三浦君は、何かありますか。」
三浦「僕は、あんまないんです。一応、来年公開する映画が何本かあるので、ちょっとパッと出てこないのですけれども、Web等でぜひ見つけてください(笑)。」
谷口「結構話題作にも出ていますから。ついこの間も『あなたへ』という、あれは素晴らしい映画で、三浦くんも素晴らしかったですね。」
松岡「本当に、もの凄く未来のある、ふたりとも素晴らしい俳優さんなので、皆さんぜひこれからもふたりを応援してあげてください。そして、我々もスタッフとして頑張りますので、僕らも、引き続きちょっとだけ応援していただければありがたく思います。今日は、皆さんどうもありがとうございました。」
(今年は雨が降る中の開催となった伊参スタジオ映画祭)
ここまでご紹介してきたトークイベントの内容のとおり、小規模な作品ながら、若くして才能のある波瑠さんや三浦貴大さんと谷口監督をはじめとするスタッフたちが、原作と真摯に向き合って丁寧に創り上げた『BUNGO~ささやかな欲望・幸福の彼方』。
転校生日記での連載ををご覧になって、作品の中身が気になった方は、ぜひ現在発売中のDVDでチェックしてみてくださいね。
対談が終了した後は、伊参スタジオ映画祭恒例のゲストと観客が一堂に会しての集合写真撮影となります。子供のころの遠足ではありませんが、撮った写真は、会場内で購入することができるので、皆さん良い想い出となるでしょう。
その後は、引き続きゲストによるサイン会に。特に机などで場が仕切られていないので、普段はスクリーンの中にいる人たちに、この日だけは直接ふれ合うことができます。想い想いにサインを書いてもらったり、握手を交わしたり、応援のメッセージを伝える来場者の皆さんの顔には、幸せな笑顔があふれていました。これも“映画の力”ですね。
みなさん、2013年も伊参で逢いましょう!
(りょう)
波瑠「うーん。理解はできているのだと思います。」
松岡「自分だったらどうということはありますか。」
波瑠「うーん。どうなんだろう。ただ、前に監督とお話しをしたのですけれども、今の時代は、ゴールが結婚じゃないですか。でも、この二人の関係は、お見合いをして、結婚からスタートしている。やっぱり、全然、時代背景というか、そういうもので変わるものなんだなっていうことに、凄くびっくりしました。何か今との違いを気付かされた感じです。」
結婚とお見合いの違いの話は、以前この日記でもレポートさせていただいた丸善書店さんでの公開直前トークイベントでのことですね。
松岡「なるほど。仮に、あのように旦那さんが告白して来たら、波瑠ちゃんはどうしますか。絹子はああいう行動をしましたが。」
波瑠「もし、私が結婚をして、「子供がいるんだ」って言われたら、ですよね。」
松岡「時代背景にもよるかもしれないけれども。」
波瑠「そうですよね。」
松岡「現在の波瑠ちゃんだったら、どうしようと思いますか。」
波瑠「どうするんですかね。」
松岡「どうしますか。」
波瑠「どうしますか。あはは。どうしましょう。」
三浦「先に言えよって感じですよね。」
波瑠「本当にそうですよね。」
松岡「そりゃそうだよね。」
谷口「その実感は、僕も分からないけれども、撮る方としては、ただ何か昔の人って、今も話があったように、何かこう、凄く自分にとっては痛い辛いことだと分かっていても、それを全部受け入れる大きさというか深さがあって、それが絹子という女性の強さだなと思って。」
松岡「三浦君が今まさに言ったけれども、普通に考えたら、「先に言えよ」というか、なぜ俺は言わなかったまま結婚したんだろうって、やっぱりなっちゃうじゃないですか。」
三浦「いや。いまの時代だったらそうですけれども、あの時代はやっぱり、そんなに付き合い方が今みたいに恋愛結婚が普通ではないので、お見合いをして、結婚するという中で、なかなか、その告白する機会も少ないと思うのです。今だったら、恋愛して結婚するのだから、「恋愛している途中で言えよ」というようなことになりますが。」
松岡「なるほどね。それが、さっきと同じで、分からなかったから、そこから色々なことが生まれて、色々と出来てくるということですね。」
谷口「後は、戦争というものがあって、人の死とか、理不尽に人が引き裂かれたり、色々な辛いことを抱えている人が、多分いっぱいいた時代のときに、不幸というものの捉え方が、今の僕らとは全然違ったことがたくさんあったのかなということは想像したのですが。」
松岡「そうだよね。良いことか悪いことかは置いておいて、別れということが今よりももっともっと多い時代だったから、そこの中で、人は悲しむだけじゃない、成長していくということが、全般的に、林芙美子さんの原作は、それを描いているなという気はしますね。そんな強い昭和の夫婦を、こんな若いふたりが演じてくれてね。」
谷口「良くこのふたりが引き受けてくれたなと思っています。」
松岡「本当にそうだよね。ありがとうございました。」
波瑠「こちらこそ、ありがとうございます。」
「ふふふっ。」と照れ笑いをしながら、感謝の言葉を返す波瑠さん。
(体育館内に置かれた映写機)
松岡「お時間ということで、ここら辺で終わりにしたいと思いますが、せっかくなので、今なさっている活動ですとか、これからやる作品などがありましたら、告知などどうぞ。」
波瑠「良いですか。」
松岡「どうぞ。」
波瑠「来年、年明けになってしまうのですが、NHKのドラマ『書店員ミチルの身の上話』という連続ドラマに出演します。ぜひ観てください。」
松岡「どんな役なのですか。」
波瑠「主人公の妹なのですけれども。」
谷口「佐藤正午さんという方が書いた面白い小説でね。お姉ちゃん役が、戸田恵梨香さんですよね。」
「書店員ミチルの身の上話」は、NHK総合テレビジョン「よる★ドラ」枠として、現在、毎週火曜日22時55分か23時24分の時間帯に放送されています。(放送は3月12日まで)。同番組には、大林組の寺島咲さんも出演されています。
松岡「三浦君は、何かありますか。」
三浦「僕は、あんまないんです。一応、来年公開する映画が何本かあるので、ちょっとパッと出てこないのですけれども、Web等でぜひ見つけてください(笑)。」
谷口「結構話題作にも出ていますから。ついこの間も『あなたへ』という、あれは素晴らしい映画で、三浦くんも素晴らしかったですね。」
松岡「本当に、もの凄く未来のある、ふたりとも素晴らしい俳優さんなので、皆さんぜひこれからもふたりを応援してあげてください。そして、我々もスタッフとして頑張りますので、僕らも、引き続きちょっとだけ応援していただければありがたく思います。今日は、皆さんどうもありがとうございました。」
(今年は雨が降る中の開催となった伊参スタジオ映画祭)
ここまでご紹介してきたトークイベントの内容のとおり、小規模な作品ながら、若くして才能のある波瑠さんや三浦貴大さんと谷口監督をはじめとするスタッフたちが、原作と真摯に向き合って丁寧に創り上げた『BUNGO~ささやかな欲望・幸福の彼方』。
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対談が終了した後は、伊参スタジオ映画祭恒例のゲストと観客が一堂に会しての集合写真撮影となります。子供のころの遠足ではありませんが、撮った写真は、会場内で購入することができるので、皆さん良い想い出となるでしょう。
その後は、引き続きゲストによるサイン会に。特に机などで場が仕切られていないので、普段はスクリーンの中にいる人たちに、この日だけは直接ふれ合うことができます。想い想いにサインを書いてもらったり、握手を交わしたり、応援のメッセージを伝える来場者の皆さんの顔には、幸せな笑顔があふれていました。これも“映画の力”ですね。
みなさん、2013年も伊参で逢いましょう!
(りょう)
高田世界館さんにて映画『転校生』上映
『野のなななのか』TAMA映画賞・最優秀作品賞受賞!
エキストラ虎の巻
おめでとう☆彡
映画『月とキャベツ』上映&トークイベント開催決定!
銀映館ふたたび~世界館で『シグナル-月曜日のルカ』上映!
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2013年03月01日 Posted byひがしざわ at 08:00 │Comments(0) │未来に紡ぐ
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