トークin深谷シネマ 第6話: <キャストで「アテ」る?>

トークin深谷シネマ 第6話: <キャストで「アテ」る?いいえ、映画は「学校」。>

原作への8社からのオファー、主演キャストの候補が皆同じだったとか。
今時こういう映画を作ろうと思うと旦那役、女房役それぞれ誰、と浮かぶもの。
そういう方をキャスティングすれば全国何百の映画館で上映され大ヒット。
そういう方法も否定しないが、僕の場合、
映画を本当に愛する皆さんにじっくり観ていただきたい。
僕たちの映画はプリントが10本だけ。
フィルムを順に全国まわすのでこちらに来るのが今日になってしまいました。

トークin深谷シネマ 第6話: <キャストで「アテ」る?>

去年11月に東京で上映して仕事としては終わっているが、
今日も配給会社の方が来てくださっています。
プライベートの自分の時間、自費で遊びに来てくれる。
そんな風に仕事を離れてこの映画を愛してくださるスタッフもいます。

(そしてナンチャン、ヒロベエの2人をキャスティングした顛末や、
主題歌を担当したアーティスト・クラムボンとの出会いについて。。。略^^)

トークin深谷シネマ 第6話: <キャストで「アテ」る?>

映画は「つじつまのあった夢」。
この映画は綱渡りのように辛うじて繋がっていて、何とか渡りきれたという感じ。
これは偶然でなく必然。ちょっと分かりにくかったりはらはらしたでしょうが、
僕にしてみれば映画自体不思議なもの。
何度観ても分からない。
でもその不思議に魅力があれば、どんどん観てゆくことで人間の力が高まってゆく。
宮沢賢治の言葉に「永遠の未完成、これが完成なり」というのがあります。
自分の中の「?」をどんどん深くしてゆくのが成長だと思うんです。

今は情報時代、結論を出さなくてはいけないと言わるが、
映画だけは結論を出さず不思議を育ててゆきたい。
死も不思議。
でも誰もがいつかその日を迎えるというなかで生きている。
生きることだって不思議。
不思議を不思議なまま、深く考えて描いてゆくのが映画。
そういう映画を愛する皆さんに、次も作ってね、
と言っていただいて頑張れるのが私たち映画人の誇りと思う。

この映画が出来上がった後、スタッフも皆本当に嬉しくて満足して、
大変な幸福感の中にいます。
こういう映画を作れるチャンスは本当にありません。
皆さんの心のスクリーンにもう一度この映画が映って、
この映画好き、いいな、もっと語りたい、考えたい、と思ってくださるようならば、
ますます素晴らしい映画の学校として育ってゆくと思います。

トークin深谷シネマ 第6話: <キャストで「アテ」る?>

4月、衛星劇場で淀川さんのあとを継いで「大林宣彦のいつかみた映画館」と
いう番組が始まりました。1930~60年代の作品を紹介します。
若い人たちには「昔の映画はこんなに面白かったの?」
昔のファンの方には胸が躍る傑作を蘇らせようと70歳の新人は思っています。
これからもよろしくお願いします。
今日はどうもありがとうございました。

(以上でシネマトークは終了です^^)

しげぞー

続く



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2009年04月27日 Posted byひがしざわ  at 08:00 │Comments(0)各地映画祭巡り

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