高林監督オールナイト&トークショー⑤

高林監督オールナイト&トークショー⑤
<そして映画に対する誇り>

(最後に大林監督が一言、と。)
最後に1つ、こんなエピソードを紹介しましょう。
高林くんが京都の大映で作品を撮った時。
撮影所にちょうどこの映画館くらいのこじんまりとした試写室がある。

作品が完成するとそこで上映するのだが、客席の真ん中に1つ、
スプリングの飛び出た壊れた?椅子がある。
実はここが「監督の椅子」。
座り心地は当然非常に悪いのだが(笑)、
高林くんが、「大林くん、ここ、一度ちょっと座ってごらんよ。」というので、
最初は遠慮していたが「まあまあ(笑)」というので、お言葉に甘えてちょっとだけ腰掛けようとすると、
守衛さんが「ダメです!そこは監督だけしか座れませんっ!」と血相を変えて飛んできた。
自分も<音楽監督>なんだけれど・・・と軽く反論したが、
「監督といったら<撮影監督>だけですっ!」と絶対折れない。
守衛さんも撮影所で働く一員としての自負と誇りがあった。

映画にかかわるものはそれぞれに、
大先輩方の築き上げてこられた「映画」への愛情と尊敬・畏敬というものがあった。
ある若手の監督さんが、数々な大先輩の名作が映し出された、
同じ白いスクリーンに自分の映像が映し出されることに対し「いい加減なものは映せない」
という想いを口にしたのを聞いたことがある。

先日亡くなられた、市川先輩。
撮影所の食堂で食事をされていると、すぐ近くで若い子たちが鬼ごっこを・・・
どうも、そういった礼儀やお行儀のよさ、というものが、最近希薄になってしまっているようで少々残念だね。
マナーというものはいつの世も、大事にしなければならないと思う。

などと「ひとこと」を通り越したコメントでトークショーはお開きとなり、場内大きな拍手の中、
お二方は降壇されました。
(大林監督はいつもどおり、スクリーンに挨拶されて。。。)

以上、深夜のトークショーについて、ざっとご紹介させていただきました。
おおよその流れ・ニュアンスは間違っていないと思いますが、
微妙なニュアンスなどに若干違いがありましたら
ご容赦を。。。

続いて上映の「素晴らしい蒸気機関車」、
鉄な趣味を持っている方には伝説の作品ですが、そうでない方にも、
鉄の塊が命を与えられているように見え、美しい懐かしい風景の中を
駆け抜ける様はなかなか趣があると思います。
そして、大林監督の音楽を楽しむこともできる作品だったのでした。(本作品、最近DVD化されました)

そしてその後の休憩時間、ロビーではスタッフのご用意くださった熱々豚汁の無料サービス、
これまた、腹に染み入る美味しさだったのでした^^。



(一部、きわめてプライベートだったり個人的な見解などの部分は割愛いたしました^^)

しげぞー  


2008年04月18日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(0)各地映画祭巡り