「その日のまえに」公開初日レポ<前半>

東京は朝から抜けるような青空の11/1(土)、
大林宣彦監督の最新作「その日のまえに」公開初日を迎えました。

「その日のまえに」公開初日レポ<前半>
「その日のまえに」公開初日レポ<前半>

初日初回は恒例の舞台挨拶があるということで、事前予約のチケットは完売。

映画館オープンの9:20前から、階段には待ちかねたファンが三々五々やってきて、
行列ができていました。
席も指定されているのでぎりぎりの入りでもよいのですが、そこは待ち遠しいファン心理。
1分でも早く!と。小生もその列に並び開場時間を待ちます。

開場し、ロビーから客席へ。
ロビーには先日TIFF(東京国際映画祭)で共演者一同が書き込んだ、峰岸徹さんへの寄せ書きボードも。
パンフやポスターを求める皆さんでグッズ売り場は長蛇の列。

初回は予告編なしで9:50上映開始。
先日TIFFで1度間ていて、その後の展開も頭に入っているのに、やはり本編では何度も涙腺が決壊^^;。
(この作品、リアルに同様の体験をしたことのある者にはかなり心にせまるものがあるのです。。。)
TIFFでは右サイドからでしたが、今回は逆に左サイド。
ようやく前回若干見づらかったアングルも確認できたのでした^^。

本編が終わり、いよいよ舞台挨拶です。実は今回は「サプライズ」だらけの舞台挨拶でした。
客電がついて場内が明るくなり、まずは報道関係の皆さんが、
スチール関係最前列、ムービー関係後方とそれぞれスタンバイ。
WOWOW女性アナウンサーさんの司会で開始します。

ここでいきなり「サプライズ」演出。
「それでは皆様、お待たせいたしました。盛大な拍手でお迎え…」というのが舞台挨拶の定番ですが・・・
スクリーン前、舞台上には木の床几がぽつんと置かれています。
何やら明かりが消えて場内真っ暗になります。
徐々に目が慣れてくると、客席サイドのドアから3つの黒い影が入ってくるのがうっすら見えます。
大中小の人影は、そのまま舞台上に静かにあがり、床几に腰掛けます。

そして・・・
「ドドーン!バリバリ!」という轟音とともに、ライトがふわっふわっと光り、3人の姿が浮かび上がります。
空を見上げていたのは、日野原家の父子3人組、日野原健大、健哉、大輔。
妻に先立たれ、母を亡くした傷心3人。

そこへ客席通路を更に歩いてくる人影。
「おや?おやおや?いつか見た風景。。。」
そんな言葉とともに壇上に上がったのはほかならぬ大林監督です。
なんとも意表をついた登場。こんな舞台挨拶見たことありません^^。
監督が続けておっしゃるには・・・(以下敬称略)

大林 「今日は、こんな具合に(手元の冊子を掲げる)角川のかたがわざわざ台本を作ってくださって、
    ほら、セリフなの。芝居してほしいっていうのね。
    だから、僕もこんな具合につたない芝居してみました(笑)。
    それにしても、あれ、また3人だねぇ。慣れてきた?」
南原(健大) 「はい。」
大林 「でも、やっぱりさびしいよねぇ。」
南原 「さびしいですね。」
小杉(大輔) 「はい。」
大谷(健哉) 「さびしいです。」

と、そこに客席からもう1人、華奢な人影が舞台に近づきます。
「ただいま!」

笑顔で壇上に上がってきたのはドレスに身を包んだ日野原とし子の永作さん。
南原さんと笑顔を交わし、息子たちの肩を後ろから抱き寄せます。

南原 「ママ、前より綺麗になったんじゃない?」
永作 「今日はよ・そ・ゆ・き(笑)」

久々の再会を喜ぶ一家4人、本当の家族のように違和感が全くありません^^。

大林 「今回の作品で永作さん、ヒロベエさんは僕にとっても奥さんのようなものでした。
    でもね、撮影中ナンちゃんもそうだったね。
    今回、ヒロベエのほうが10日ほど早くクランクアップだったんだけど、
    その後のナンちゃん、もう、痛々しくて見ていられないほどだったもの。。。
    普通なら撮影できる状態じゃなくて、休んでください、というくらい。」
南原 「そうですね。自分のアップより<とし子>のアップのほうがこたえました。
    2、3日前から動悸が激しくなって、眠りも浅くなって・・・^^;。ホント、切なかったですね。」
大林 「それだけ本当の夫婦のようにしてくれてたわけだね。
    でも、しょげきってるそんな姿がまたよかった。
    子供たちの存在には助けられたよね。」
南原 「ええ、助かりました。」
大林 「もし、本当に自分の愛する大切な人を突然送らなければならなくなったら
    どうするかな。」
南原 「そうですねぇ・・・想像もつきませんが、おそらく、この作品の主人公のようには
    しっかりしてられないと思います。どうしていいか分からなくて。
    でもたぶん、声で叫ぶのは同じでしょうね(笑)。」
大林 「ヒロベエはどうかな?今回、ナンちゃんたちは送る側を演じてたけれど、
    送られる側を演じたわけだよね。ずいぶん戸惑ったかな。」
永作 「とし子という女性は本当に気丈ですね。自分もどうなるのか分からないですが、
    気丈でありたい、とは思いますね。今回、送られる側を演じて、なんというか
    送るほうの人たちのいろいろな優しさとか想いがひしひし伝わってきました。
    最初ホンをいただいた時、こういう切ないお話なので、自分なりにイメージをつくって
    臨んだのですが、監督から悲壮感は出さないで、<明るく><にこにこと>と
    いうようなことを言われてずいぶんびっくりしました。」
大林 「ナンちゃんと2人、ボクの演技指導によく目が点になってたよね。」

続く

しげぞー


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2008年11月06日 Posted byひがしざわ  at 08:00 │Comments(0)映画上映

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