おのみちまちあるき。。。第49話「これが噂の・・<↓山>。」

おのみちまちあるき。。。第49話「これが噂の・・・<↓山>。」

お寺なのに鳥居?鳥居は神社のシンボルでは・・・という「?」がつきますが、
これが古来の日本の信仰を表す1つのかたちなのかもしれません。

ただ1つの「絶対神」がいて、従うか逆らうかで
正邪・善悪を判断する「一神教」文化と異なり、
日本では、自然現象から草花、道具にまでこの世界に存在する
全てのものに「八百万の神」が宿るという、
個性尊重の「多神教」文化が根付いていました。
七五三やお宮参り、正月の初詣では神社におまいりし、
教会で結婚式をあげ、人生の最後にはお寺でお経を上げてもらい・・・
こんな混沌とした何でもあり、な発想は、
よいものはなんでも吸収し、「みんなちがって、みんな、いい」
(By女流詩人:金子みすゞさん)な発想と文化を持つ日本人ならではでしょう。

そういう発想のなかでは、日本古来の神も、
大陸から伝来した仏もそれほど違いがなかったと。
(人間が亡くなって仏になり、神になるという発想は、一神教文化ではありえないそうです。
神は神、人間はどう頑張ってもその忠実な弟子であり使徒と。)

おのみちまちあるき。。。第49話「これが噂の・・<↓山>。」

深山幽谷で俗世界を離れ修行をする山伏は仏教ですが、
古来、山を神として崇めた文化と融合しているところもあるのでしょう。
ここ瑠璃山も、仏教的には奥の院があり「極楽浄土」なのですが、
神道的には山そのものがご神体ということになります。

鳥居の手前にあった「心」と書かれた石。
「心」と書かれていた裏側には
「↓山」。

赤ペンキの単なる落書きではありません。
よくみれば少し彫り込まれて、そこに色を載せてはっきりさせていることが分かります。

おのみちまちあるき。。。第49話「これが噂の・・<↓山>。」

これこそ、山そのものが昔から<ご神体>であった名残でしょう。
(2階建ての家の1階に神棚があり、階上にも部屋がある場合、
神棚上の天井に<空><天>と書いた紙を貼ります。
神様よりも上に人間がいては畏れ多い・・・、ということで、
その上は別世界、と宣言するようなものです。

ここでは逆に、山頂に行くにはどうしても「神様」の上を人間が歩き、
足でご神体を踏みつけてゆくしかないので、「ここから下は山:聖域⇔上が人間界」
と宣言しているのでしょう。

おのみちまちあるき。。。第49話「これが噂の・・<↓山>。」

鳥居を過ぎて少しゆくといよいよ不動岩。
壁面に不動明王のお姿が彫り込まれています。
この場所、断崖絶壁に近いです。へたに崖下を覗きこむと足がすくみます。
よそで作って持ち込んだわけではなく、まさにここで彫ったのです。
尾道石工の高い技術と度胸には脱帽するしかありません。
(高層ビルの頂上近くで作業するようなもの。
平地で平静な精神状態ならばできることも、そんな高所で力を100%発揮するのは
並大抵のことではないですよね)

おのみちまちあるき。。。第49話「これが噂の・・<↓山>。」

不動岩の上部、右奥に手すりがみえますが、
岩の下からまわりこむと岩の上にあがることができます。
映画「ふたり」で実加が神永青年のプロポーズをお断りした場所。
足はすくみますが、絶景が眼下に広がり、
ここまでのぼってきた疲れもすっかり吹っ飛んでしまうのでした。
(この風景も、自然の造形と人間の営みが見事に融合したもの。
それを、はるか天上の聖域から俯瞰している錯覚まで覚えるのです^^)

おのみちまちあるき。。。第49話「これが噂の・・<↓山>。」
おのみちまちあるき。。。第49話「これが噂の・・<↓山>。」

49回(!)に渡って「転校生 さよならあなた日記」の貴重なスペースをお借りし、
大林監督作品つながりの尾道について一貫性もなく書き綴ってしまいました。

映画とともに「まちあるき」「路地の魅力」についても
話題にしたブログなのでぜひ、
というひがしざわさまのお言葉をいただき、
気軽に始めたこのシリーズ、
こんなに大作になるとは思ってもおりませんでした。

思いつくまま乱筆・脱線ばかりの尾道紀行、
長きにわたりおつきあいいただき、
ありがとうございました。
そしてなにより、記事の掲載にあたって貴重なスペースを
ご提供いただいたひがしざわさま、感謝です。

信州長野も歴史あるエリア。
歩き回ればちょっとした町の風景、小さなものにも同じように
歴史やいわれがあることでしょう。
ぜひ、「みすずかる・・・信州ながのまちあるき」を読んでみたいものです♪
(それは全国どこの土地や町にもいえることです。それぞれの土地土地について
改めて見直すことで、魅力に気づき愛着も湧いて活性化につながると思います)

え?49話とは中途半端、
もう1話で50話完結!
どうしてしないのかって?
御袖天満宮の石段に1箇所だけ継ぎ目があるのと同じ、
完全なものはあとは滅びるだけだから・・・の物まねではありませんよ。

どこの街の風景も、1人1人、それぞれに見え方が違うのです。
そう、もう1話は、ぜひ皆様が実際に訪れて、ご自分の目で見つけてください^^。
こうして街の物語はまた始まるのです。

(完)

しげぞー



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2009年07月06日 Posted byひがしざわ  at 08:00 │Comments(1)おのみちまちあるき

この記事へのコメント
しげぞーさま、おのみちまちあるき49回、お疲れさまでした。
毎回とても楽しみにしてました。
ガイドブックに載っていない尾道の魅力を沢山
知ることが出来て、多くの方が楽しみにされていました。

ながのまちあるきを書き続けないといけないですね。
Posted by ひがしざわ at 2009年07月07日 00:41
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