川越アフターリポート~スカラ座からキネマへ~ その9

川越アフターリポート ~In the wings スカラ座からキネマへ~ その9

サッカーの話も少し。

「埼玉と言えばサッカー」と言われるぐらい盛んですが、ドラマでも、サッカー所として、
つばさの彼氏・大谷翔太(小柳友さん)はサッカー選手という役どころ。
また、つばさ自身も幼い頃サッカーをやっていたという重要なモチーフになっています。
小柳さんも、ドラマに先立ち元浦和レッズ選手の望月聡氏にサッカーの指導を受けられたそう。


(浦和駒場スタジアム)

他にも、ロナウ次郎→ロナウジーニョ、ベッカム一郎…などなど。

ちなみに、実際にサッカーが盛んなのは、ドラマの舞台川越市ではなく
浦和市(現さいたま市)になります。
いまでこそJリーグ浦和レッズや大宮アルディージャが有名ですが、
実は旧浦和市は埼玉サッカー発祥の地。

明治41年埼玉師範学校(現埼玉大学教育学部)に
着任した細木志朗氏が蹴球部を創設し、
生徒にサッカーを教えたのが「埼玉サッカー」の起源とされ、
昨年はその発祥からちょうど100年目にあたる記念の年でした。
受け継がれてきたサッカーへの熱き想いは、
長い年月と多くの人々によって醸成され、
サッカーをひとつの文化として浦和に根付かせました。
浦和レッズのエンブレムに描かれている建物が、当時の埼玉師範学校舎「鳳翔閣」です。
現在は、さいたま市立病院の敷地内に博物館としてその一部が移築されています。


(埼玉スタジアム2002。
満員のサポータ一人ひとりの人文字でクラブエンブレムを描いています。)

かつては、拙者の母校県立浦和高校の対外試合69連勝(3度の高校選手権制覇)を初め、
赤き血のイレブンのモデルとなった浦和南高校の三冠(高校選手権・高校総体・国体)達成、
市立浦和高校、浦和西高校などが全国を制覇し、静岡県の藤枝・広島とあわせて、
“サッカー御三家”と呼ばれた時期もありました。
“つばさ”繋がりで漫画『キャプテン翼』の主人公・翼くんの永遠のライバル
日向小次郎くんがいた埼玉明和小は浦和の名前をもじっていますよね。

また、前述の浦和レッズは、もともと埼玉に本拠地を置いていたチームではなく、
1991年Jリーグ発足にあたり、
当時東京都江戸川区にあった三菱自工サッカー部を誘致したものです。
いまでこそレッズは“浦和の顔”ですが、
初めは小さなサポーターグループの熱心で地道な活動から、
『世界のURAWA』・『浦和のアイデンティティ』と呼ばれるまでに成長したのです。

さて、『つばさ』でヒロイン玉木つばさのお婆ちゃん・玉木千代役の吉行和子さんは、
川越の印象について、
「古い物には変わらない良さがある」と話されています。
先日のレポートで、蔵造りのまち並みは一番街だけに残されていると書きましたが、
蔵造り以外にも途中途中で見られる歴史を刻んだ古
い建物たちが街なかの重要なアクセントにもなっています。
佐内さんは、『川越=青』のイメージがあるとして
「柔らかい光に満ちた空に近い町」と独特の表現をされています。
それは、何よりも川越には高い建物がないから。

このまま、このまちの良さを大切に残して行ってほしいものですね。
強いて苦言を呈するなら、車の往来が多いことかな。

『15分では見られない本物の川越へ―』



(鏡山酒造跡地の明治蔵の観光案内所では、
『つばさ』ロケ地の情報が毎週更新されています。)

“まちの輝き”のいまを訪ねて、ぜひ“つばさのまち”川越にお越しください。

りょう  


2009年07月17日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(5)未来に紡ぐ