七瀬の土地を訪ねて ⑫ ~青梅街道編~

精一郎:「七瀬……聞こえているか、七瀬」
七瀬:「……誰なの?」
精一郎:「頼む、聞こえていてくれ」
七瀬:「……お父さん?」
精一郎:「七瀬、もしこの声が届いていたら、部屋の電気を消してくれ、聞こえるか七瀬」
七瀬:「お父さん!? お父さんなの!?」

『七瀬の土地を訪ねて』第12回目は、第6回「父への鍵」で、主人公・七瀬が
父・精一郎(小日向文世さん)の心の声をテレパスで感じ、
ニアミスするまでのシーンを紹介します。

一連のシーンは、主に東京都杉並区内で撮影されています。

マンションを飛び出した七瀬が精一郎の声の元を探して走り出すシーンは、
京王・井の頭線高井戸駅近くの神田川沿いの道、
正用下橋付近(杉並区高井戸東1丁目17番)です。




(左手の「ウラカワホーム」の青い看板が目印)


(七瀬が立ち止まり振り返った場面。後方の京王・井の頭線の踏切が目印)

続いてのシーンは、場所が変わって同じ杉並区内の
JR荻窪駅から伸びる青梅街道沿いで撮影されています。

精一郎:「七瀬、お前に頼みがある。」
    「3日後に、これから言う場所へ来てくれ。」
    「昔、家族旅行で行った、秋沢渓谷の、あの山小屋」
七瀬:「お父さん……そこに行けば会えるの?」
「……お父さん! 一緒に暮らそう! お父さんと暮らせるなら、私何にもいらない!」

七瀬が登った歩道橋が、青梅街道に架かる「文大杉高歩道橋」(杉並区荻窪3丁目46番)です。


(「文大杉高歩道橋」)


(七瀬の駈け上がった階段)

七瀬:「……どうして、今、会えないの?」
精一郎:「すまない、七瀬」
「愛しているよ、七瀬」

そして、父・精一郎がいたレストランは、
『ピエトロズパスタ・阿佐ヶ谷店』(杉並区成田東5丁目35番)です。


(ピエトロズパスタ・阿佐ヶ谷店)

ちょうど大通りに面したガラスそばの席に座っていましたよね。
ガラス越しに七瀬とお父さんがすれ違ったシーンは、思わず声をあげたくなりました。

七瀬:「お父さん! お父さん!」
    「本当に会えるの? お父さん……」

最後に立ち尽くす七瀬が叫んでいた場所が、杉並区阿佐谷南3丁目4番付近の
通り沿いで撮影されています。


(ガソリンスタンドの“エッソ”がランドマーク)

次回は、精一郎の待つログハウスに向かう道を紹介します。

【青梅街道】
東京都新宿区から山梨県甲府市へ至る街道で、江戸時代には新宿の追分で甲州街道と分かれ、
中野、青梅、大菩薩峠、塩山を経て、甲府東郊でふたたび甲州街道に合流していました。
青梅に近い成木村の石灰を江戸城工事用に運んだので、別名・成木街道とも呼ばれています。
甲州街道の裏街道として利用され、江戸末期には志士や凶状持ちがよく通ったとも伝えられています。
薪炭などの林産物や武蔵野新田の農産物の輸送にも利用されていました。


(「文大杉高歩道橋」より山梨方面を臨む)

りょう  


2009年09月25日 Posted by ひがしざわ  at 08:00Comments(0)未来に紡ぐ